IoTとデジタルトランスフォーメーション

「コロナショック」が世界構造を一変させてしまうだろうと言われている現在、日本の中小企業がこれからも生き残っていくには、これまで以上にIT/IoT/AIなどを活用した新しい経営が必要になってきます。

今まで言われてきた「QCDの向上」だけではなく、新しい生産体制の構築や市場ニーズに合わせた柔軟な製品の提供、働き方改革などです。

それらを実現していくために必要な取り組みとして、コロナショック以前より、経済産業省では「デジタルトランスフォーメション」(DX)の推進をおこなっています。製造業においてその基礎技術となるのが、工場への「IoTの導入」です。

DXの推進は、実際は大変大掛かりで難しい作業となりますが、IoT導入方法自体は簡単です。

工場のIoT化で必要となるのは、下記の3点となります。

  1. 機械や人からデータを取得・収集する装置
  2. データを保存するサーバーやPC(データベース)
  3. データを分析するシステムやデバイス(ERPやエクセルとパソコン)

小さなステップから始めれば、中小企業でもすぐに工場のIoT化が始められます。

IoTとは何か、導入する効果や活用方法、中小企業が工場に導入する際の課題などを、簡単にまとめました。

「IoTの導入を検討している方」「IoTとは何か、その必要性がいまいちわからない方」は、ぜひ参考にしてみてください。

「 IoT」や「スマートファクトリー」、「デジタルトランスフォーメーション」とは?

「IoT」と共によく使われる「スマートファクトリー」や「デジタルトランスフォーメーション」という言葉。

まずは、これらの言葉の意味をご紹介します。

IoTとは?

IoT(Internet of Things)とは、モノ(やコトの情報)とインターネット(やイントラネット)を繋げることです。

ここで言う「モノ」とは、例えば冷蔵庫やテレビなど、従来インターネットに繋がっていなかった物質的な物や人の行動、気温や湿度など環境の情報のことも指します。

これらの「モノ」をインターネットに繋げることで「冷蔵庫を何度開け閉めしたのか」「何時間テレビを見たのか」などを、遠く離れていてもパソコンやスマホから確認が可能です。

製造業の工場で使われる機械や工程情報、作業員や作業結果もこの「モノ」に含まれ、IoTを導入することで莫大なデータを得ることが可能です。 従来人間が目で見て計測できたデータはもちろんのこと、今まで隠れていたデータもIoTの導入で「見える化」することができます。

スマートファクトリーとは?

スマートファクトリーとは、IT技術を使って「コストダウン」「生産性アップ」「品質の向上」を実現する工場のことです。

ドイツ政府が2011年に公表した国家プロジェクト「インダストリー4.0(第4次産業革命)」によって、注目を集めるようになってきました。

スマートファクトリーの実現は、下記のステップで行われます。

  1. IoTでデータを集める
  2. 集めたデータをクラウドに蓄積させる
  3. そのデータをAI(人工知能)で分析する
  4. 分析データを活用して現場の改善を行う

スマートファクトリーを実現することで、従来よりも低コストで高品質な製品を提供できるようになります。

海外で実現に向けて動いている中、日本の企業も迅速に対応していかないと、これからの時代を生き残るのは難しいです。 IoTの導入はスマートファクトリー実現に向けてのファーストステップとなるので、今から始める必要があります。

デジタルトランスフォーメションとは

近年脚光を浴びているデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:略語はDX)。「Transformation」の意味は、「変化」や「変形」という意味がありますが、その概念は“進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていくというもの”になります。

IoT業界のみならず、「行動」「知識」「モノ」などがDXによってデジタルに変容することにより、既存の価値観や仕組みにイノベーションをもたらすことが期待されています。

製造業においても、例えば「計画 → 調達 → 生産 → 物流 → 販売・保守」の工程をIoTによってリアルタイムに正確なデータを可視化できるようになる(DX化する)ことにより、納期の短縮やコスト削減、売上機会の創出など様々なメリットを享受することが可能となるなど、デジタルトランスフォーメーションがもたらす恩恵は大きくかつインパクトのあるものと考えられています。

工場のIoT導入で得られる効果

IoTを工場に導入することで、さまざまな効果を得ることができます。
AIを搭載した先進ロボットでなくても、従来の設備でもIoT化することは可能です。
工場にIoTを導入することで、得られる効果を簡単にご紹介します。

工場のIoT導入の効果1:さまざまなデータを「見える化」できる

IoT導入のメリットには、さまざまなデータが見える化される点が挙げられます。
例えば照度センサーを使って、機械が止まる時間のデータを計測して機械の稼働率を「見える化」したり、磁気センサーを使って1時間にどのくらい機械がプレスを行っているのかを計測して生産性の見える化を行なったりすることができます。
そのほか、設備の稼働状況と製品品質のデータをを分析することで設備の故障予兆保全や安全の確保を行うことも可能です。

このように、おおまかな目的に合わせて、まずは機械設備などから必要な情報を取得するための手段を検討していくのが一般的です。

また、初めから大きな投資をしてIoT機器を入れるのではなく、まずはPoCと呼ばれる実証実験(概念実証)を実際に行なってみて、その後のIoTのしくみの検討を行うというのが最も無駄の少ないIoT導入の手法だと言われています。
このPoCで設備側の機器として使われるのが、Raspberry Pi(ラズベリーパイ)やArduino(アルディーノ)などのIoTデバイスと市販のセンサー類です。 当社で提供しているTibbo-Piも、そうしたIoTデバイスの一つです。
見える化のために使われるソフトウェアは、PoCの段階ではエクセルなどでも十分です。

工場のIoT導入の効果2:データを活用してコストダウンや作業効率をアップできる

上記で紹介したデータを集めて「見える化」することで、解決すべき課題が見えてきます。
例えば不良品ができる原因を分析して改善することで、コスト削減に繋がります。
また、同じ工程でも作業員別による稼働時間や工作機械の個体差による自稼働時間を分析することで最適な工程計画の検討などができます。

このように、データをうまく活用することで、作業のさまざまなムリ・ムダ・ムラを発見して改善させることができます。

工場のIoT導入の効果3:品質の向上に繋がる

生産工程の情報管理と品質検査にIoTを活用することで、作業効率を上げながら不良品を減らすことも可能です。
安定した生産ができるようになるので、品質の向上にも繋がります。

工場のIoT導入の効果4:社員の適切な評価ができるようになる

工場にIoTを導入することで、機械の稼働率を正確に把握できるようになります。
社員の業務スピードも把握できるので、公正な評価を行うことが可能です。

「見える化」だけでは失敗する!工場のIoT導入で成功する活用方法

IoT機器を導入するだけならあまりハードルは高くありませんが、活用方法を誤るとかけたコストが無駄となってしまいます。

中小企業がIoTを導入する際に重要なのは、どのようなゴールを目指すかです。
IoTの導入で得られるデータは膨大で、その活用方法もさまざまあります。
導入する際には、まず自分たちの抱える問題を洗い出し、どのようなデータを集め、どのように活用したら問題が改善できるのかを考える必要があります。

一度に工場全体でのIoT化を目指さず(IoTによる全体最適を目指さず)、まずは1つの設備や製造ラインなどで小さなゴールを目指すこと(個別最適)から始めることが大切です。

中小企業が抱える工場へのIoT導入課題

IoTデバイス「Tibbo-Pi」

中小企業が工場でIoTを導入する際、抱える課題には「導入費用のコスト」「ITに精通した人材の確保」「効果に対する不安」が挙げられます。

最近では弊社のTibbo-Piのようにレンタルで始められる製品や月額サービスも始まっています。
従来の購入型ではなく低予算でレンタルできるので、中小企業でも気軽にIoTの導入を試すことができます。
またはじめからITやIoTに精通した人材を確保しなくても、自分たちで学びながら自分たちだけのIoTシステムを試作することも可能です。

実際に導入にチャレンジすることによって見えてくる課題もありますので、まずは試してみることが大切となります。

工場へのIoT導入の相談は、弊社にお気軽にお問い合わせください。

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