「モノ」や「情報」などをインターネットに繋ぎ、あらゆるデータを可視化できるIoT(Internet of Things)。
コスト削減や作業の効率化を図れるということで、近年では大手企業のみならず、中小企業でもIoTの導入が進んでいます。

弊社ではさまざまな中小企業のIoT導入事例をご紹介していますが、今回ご紹介するのは製造現場ではなく、人々のライフラインをサポートする少し特殊な例です。

製造業のお客様と開発してネパールに設置した「Cappa with Field IoT」の事例に関して、ご紹介します。

お客様が「Cappa」にIoTを導入した目的

http://www.ibasei.jp/works/natural_energy/

製造業に従事する今回のお客様が提供する軽水力発電機「Cappa」は、大人2人でも持ち運び可能なコンパクト設計が特徴で、アクセスの悪い地域へも運べます。
この「Cappa」を、防災対策やインフラ整備が深刻な課題となっている新興国で活用するために、お客様はIoTを搭載しました。
これが新機種の「Cappa with Field IoT」です。

「Cappa」にIoTを搭載したことで、機器のヘルスチェックや機器設置場所の環境情報をリアルタイムで収集し、遠隔でもスマホ一つで操作できるようにしました。

今回の事例では、この「Cappa with Field IoT」をJICAのODA事業として、水資源が豊富で電気供給率の低いネパールに設置しています。

今回のIoT開発の特徴

今回弊社がお客様に提供したのは、「IoTコンサルティング」「Tibbo(ブロック状のモジュールを組み合わせるだけで簡単にIoTデバイスが完成する製品)」「ハードウェア開発」「ソフトウェア開発」のサービスです。

開発の特徴は下記の2点。

  • 様々なセンサー機器との接続
  • 3G回線による情報の送信

様々なセンサー機器から情報を取得し、3G回線を通してクラウドサーバーへ情報送信、蓄積、閲覧できるようにしました。

「Cappa」へのIoT搭載で可能となったこと

今回の事例では「Cappa」にIoTを搭載したことで、下記5つのことが可能となりました。

その1:電力の供給が可能に

ネパールでは、都市でも1日10時間程度の計画停電が行われており、農村部での電化率はさらに低くなっています。
今回「Cappa with Field IoT」を設置したことで、水力発電から得られた電力を、寺院に取り付けたLED照明に供給できるようになりました。
これが現在、子どもたちの学びの場作りに役立っています。

その2:遠隔操作が可能に

IoTを搭載したことでクラウドサーバーに情報が送信されるため、スマホ一つで遠隔から監視・操作できるようになりました。
現地ではもちろんのこと、遠く離れた日本でも操作が可能です。

その3:情報を可視化して監視

発電状態の可視化はもちろんのこと、水中にも各種センサーを取り付けているため、水温、水圧、水位、濁度などを常に把握できるようになりました。

その4:盗難防止と状態監視

屋外に設置されているので、盗難防止と状態監視のために人感センサーと全方位監視カメラを搭載。
24時間監視できる状態を整えています。

その5:異変の察知が可能に

水害の多い地域のため、 濁度を監視したことで、上流で異変が起こったことを確認できるようになったとの報告もあるようです。

その他のIoT導入事例

今回ご紹介しましたお客様は少し特殊でしたが、その他に弊社がサポートして国内でIoTを導入した事例がいくつかあります。

製造業の企業にIoTを導入した事例もまとめていますので、こちらよりぜひご参考ください。


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